疑心~心に櫛は通るのか~

小さな絵葉書きサイズにした落書きは、長い髪をとく彼女の仕草が美しかったという絵で。
窓からの光で白い袖から腕が透けて見えるのは造形的にもとても美しかった。
無題938

さて、絵は別に歌のイメージではないけれど。髪の登場する歌が有るからちょっと考察しようかな。

長からむ 心も知らず 黒髪の みだれて今朝は 物をこそ思へ

百人一首の80番だね。
誰でも1度は読んだとことが有るんじゃないかな。
恋人が会いに来てくれ無い寂しさから
「絶対に気持ちは変わらないです」
と言った貴方の心変わりを疑ってしまいます。
という切ない心境を詠んだ物で、男性が訪ねて来てくれないと始まらない時代の歌なんだけどね。
こういう恨み節っぽいことを歌に詠むなよって思う人もいるだろうし。
私はこうして残して貰ってるお陰で
(おぉ、いつの時代もこういうもんなのね)
なんて考えて有り難かったりするんだよ。
待っててもなかなか来ない相手からの連絡を(例えば今ならLINEとか?)ひたすら待ってる心境をちょっとヘンテコ目線で絵にしてみたんだけど。
無題940
なんとなく分かる?
大好きで、楽しく返信待ちをしてるうちに、段々不安になってくわけで。
【大好き】の核にポコポコと泡が出来てくるというか、細胞分裂?みたいな感じかな。
・どうしたんだろう。
・体調悪いのかな。
・忙しいのかな。
・怒らせたのかな。
辺りから、
・自分にだけ返事がないのでは
・浮気してるんじゃないか
とかね。
3つめの絵は、
・どのタイミングで話し掛けようか
・しつこいって思われないか
・付き合いやすいと思われたい
とか、やたらと色んな気持ちが湧き出してるやつね。もうこうなると爆裂的なスピードで分裂が始まるというか、葛藤が混るは疑心暗鬼になるわ……。
恋人の返信待ちの皆さんお疲れ様です。
「私の事、嫌いになったの?」
とか迫られたら飽き飽きするタイプの人も、美しい和歌になったら「教養有るなぁ」って聞く耳が持てたりして。
細かい話だけど、歌に髪が絡んでるのは、当時は良家のお嬢さんとは御簾の向こうとこちらで会話するのが当たり前で、髪に触れる事が出来たのは恋人だけだったという事かららしいです。

最後にオマケね。
無題938-1
落書きの途中経過。
今回もここで止めて良かったような気がしてきた。
何か揉めてる皆さん、スッと櫛が通るように上手く行きますように。



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